アトピー、蕁麻疹の治療を続けているうちに
症状のあらわれ方、病勢の変化から何らかのアレルギーが関わっていると疑われる患者さんに出会うことがあります。
アトピーも蕁麻疹もその方の体質や生活習慣に影響される部分が大きく、「原因さえ除去すればすべて解決できる」という単純なものではないのが大半ですが、病勢の悪化、発作的な症状の出現にアレルギーが関わっている場合があります。
原因(アレルゲン)が絞り切れない場合にスクリーニング的に検査する手法として「ビュー39」という血液検査を提案することがあります。
ビュー39(View39)に含まれる項目
アレルギーの原因になることが多い39種類のアレルゲンを調べることが出来ます。
(吸入系・その他)
ヤケヒョウヒダニ、ハウスダスト1、ネコ皮屑、イヌ皮屑、ガ、ゴキブリ、スギ、ヒノキ、ハンノキ(属)、シラカンバ(属)、カモガヤ、オオアワガエリ、ブタクサ、ヨモギ、アルテルナリア(ススカビ)、アスペルギルス(コウジカビ)、カンジダ、マラセチア(属)、ラテックス
(食物系)
卵白、オボムコイド、ミルク、小麦、ピーナッツ、大豆、米、ゴマ、ソバ、エビ、カニ、キウイ、リンゴ、バナナ、マグロ、サケ、サバ、牛肉、鶏肉、豚肉
費用は約5千円
3割負担の患者さんの場合、ビュー39の検査費用は約5千円です。(診察料、その他の検査料、処方箋料などは別途)
ただし保険診療の範囲で行うので、実際に症状があり、検査を行うのが妥当であると医師が判断した方に限らせていただきます。
また当院は未就学児の血液検査は行っていません。小学生以上が対象です。
検査結果が出るまでは1週間程度時間がかかります。
検査の意義
この検査のみで「疑っている物質」と「症状」との関連を断定することはできません。
実際の臨床症状との関連で総合的に判断します。
あくまで判断材料のひとつであると理解してください。
やみくもな検査は控えましょう
「ただ何となく不安」「職場で調べてくるように指示された」など、医学的合理性のない検査は慎むべきです。
しかし、明確な原因を絞り込むことは出来ないものの、季節や状況によって症状の変化が目立つ場合、ときに発作的な重い症状が現れることがある場合、「ビュー39」でアレルゲンを検索することは有意義かもしれません。
検査に興味のある方、相談のある方は診療の際に申し出ていただければと思います。