いまは消えてしまったけど…
皮膚科を受診する患者さんにぜひお勧めしたいことがあります。
それは、「気になるお肌の症状はスマホで撮影しておいてください!」ということです。
医院での診察では、実際の発疹を「見たり」「触れたり」することで症状を把握し、必要な場合は検査なども行い診断を下します。
でも、
「昨日は〇〇のような発疹が出ていました。いまは消えてしまったけど…」
「いまはちょっと赤いだけですが、先月は△△なかんじでした」
という場合、診断が難しい場合があります。
皮膚病に限りませんが、病気の症状は時間とともに変化したり、消えたりすることがあります。
症状が消えていたり変化している場合、問診からおおよその見当をつけて判断することになりますが、正確な診断とは言えないかもしれません。
スマホ写真は役に立つ
そんなとき、症状が現れていたときの「スマホ写真」があると非常に参考になります。
例えば「じんましん」。
かゆみを伴う赤い発疹がいくつも現れますが、数時間後、翌日には跡形もなく消えていたりします。
患者さんが写真をお持ちで、虫刺されのあとのようなやや盛り上がった大小の赤い発疹を確認できて、それが翌日には消失していれば診断は確定的です。
あるいは「ヘルペス(単純性疱疹)」
受診時は「薄いカサブタ」と「発赤」のみで判断に迷う場合でも、数日前の写真があって、「小さな水疱がいくつか集まっている」様子が確認できれば、ヘルペスの診断の確度は高くなります。
こんな場合も
長期に経過観察が必要な症状もスマホで記録を残しておいた方がよいでしょう。
子どもの「赤アザ」、手足の「ホクロ」など、長期に記録を残しておくと後日受診する医療機関で過去の症状を見せることで、発疹に変化があるのかどうかの判断材料になり、治療方針にも影響する可能性があります。
問診票に記入するのがお勧め
診察の場面で医師や看護師から「以前の写真などありますか?」と聞かれることもありますが、問診票を記入する段階で「以前の写真があります」と書いておくと診察の流れがスムーズです。
実際には必要とならない場合もありますが、問診票に書いておいて損はないと思います。
以上、
「何か発疹に気が付いたら、積極的にスマホで撮影しておきましょう!」
というお話でした。