気になるイボを取って欲しい
日々、皮膚科の外来で診察をしていますと、
- 顔や首にザラザラした茶色いイボが盛り上がってきた。
- 見た目が気になるし、衣服などに引っ掛かってしまい違和感がある。
- どうにか取れないか?
とよく相談を受けます。
脂漏性角化腫とよばれる良性腫瘍
相談されるのは「脂漏性角化腫(しろうせいかっかしゅ)」または「脂漏性角化症(しろうせいかっかしょう)」と呼ばれる、加齢によるイボ。
伝染性はなく、発癌リスクもほぼないのですが、50代以降どんどん増えていき、「年齢」を自覚させられます。
「加齢とともに自然に増える良性のイボです。放置しても健康上問題はありません。」
と説明するのですが、
「老化現象ですか」
とがっかりされる方が多いのも事実。
除去して欲しい、と言われたら
当院においては、液体窒素を用いてイボを凍結させる治療(凍結療法)を行います。
-196℃の液体窒素を綿棒にしみ込ませ、イボに数秒から10数秒押し当てます。
イボの細胞を凍らせ、人工的に凍傷の状態にしてダメージを与えます。
イボの大きさなどにもよりますが、この治療を1~2週間に1度のペースで数回繰り返すことで、イボは水疱もしくはカサブタ状になり、最終的に剥がれ落ちます。
イボが脱落したあとは、しばらく赤みが残り、やがてシミ(色素沈着)となりますが、数カ月から半年程度たつとあまり目立たなくなります。
Q:かなり痛い治療ですか?
わたし自身も自分の体に液体窒素を当ててみたことがありますが、はっきり言って
痛いです!
ツンとしみるような、キリで刺されるような感じの痛み。
採血の際に針で刺される痛みより、ちょっと強い痛みかもしれません。
まあ、大人なので我慢できますが、喜んで治療を受けたがる人はいないでしょう。
Q:イボを取ったらキレイになりますか?
当院でのイボの凍結療法は、
- イボが盛り上がってきて引っ掛かるなどして痒みや違和感がある
- 結果としてキズが出来て化膿したり、刺激によって湿疹の症状を起こしたりした
など、健康上治療が必要な場合とさせていただいています。
美容目的ではないので、
「平らになり、すっきりし、違和感はなくなりますが、少しシミやアトが残る可能性はあります」
というのが答えです。
診察はお気軽に
まずは本当に良性のイボかどうかを確認したうえで、保険の範囲でどのような対応が可能か相談させていただきます。
冷凍治療にはいたらなくても
「良性のものと考えて問題ないと判断します」
という説明で十分納得して帰られる患者さんも大勢おられます。
気になるイボのようなものがあれば、遠慮なくご相談ください。