思わぬ落とし穴にはまらないように
AGA治療はこの15年でものすごく進歩しました。
しかし、注意を怠ると思わぬところで失敗することになりかねません。
AGA治療でみなさんが「落とし穴」にはまらないよう5つの重要ポイントをお伝えします。
①はじめにAGAかどうか正しい診断を受ける
「ネットで調べたら自分はAGAのようだ。どこで治療をしよう?」
薄毛が気になる方は自分がAGAである前提でスタートすることが多いかもしれません。
でも、注意すべきポイントがあります。
- あなたの薄毛は本当にAGAでしょうか?
- 仮にAGAだとしても、AGA以外の毛髪、頭皮の異常が同時に起きている可能性はないでしょうか?
脱毛を生じさせる状況はいろいろあります。
- 円形脱毛症
- 粃糠性脱毛症
- 膠原病による脱毛
- 感染症による脱毛
- メンタルな問題から派生する脱毛
- その他
まずは薄毛に詳しい皮膚科で診断をつけてもらいましょう。
ダーモスコピーで詳細に観察
当院では、ダーモスコピー(ダーモスコープ)と呼ばれる、皮膚ガンなどの診察にも用いられる拡大鏡で毛髪の状態を詳細に観察します。
薄毛の分布具合、問診なども加味して総合的にAGAかどうかを判断します。
また軽度のAGAの方において、別の原因で急に脱毛が増えることがあります。
- 脂漏性皮膚炎の悪化
- 細菌やカビによる感染症
- 薬剤の副作用
などでこうしたことが起こりえます。
背後にある問題に気が付かず、AGAに対する治療のみを行ってしまえば、いい結果に結びつきません。
特に最近になって急に症状が目立ち始めた方は要注意です。
脱毛に詳しい医師にしっかりと見極めてもらうことをお勧めします。
(当院のお近くの方は、「AGAかどうか」の診断のみを目的に来院されても構いません。)
②個人輸入で入手した薬には思わぬリスクが
AGA治療のために海外から個人輸入などでデュタステリド、フィナステリドのジェネリック薬を入手するケースがあるようです。
またガイドラインで推奨されていないミノキシジルの内服薬を同様に入手して使用する方もおられるようです。
海外の業者や輸入代行業者のすべてが良心的で信用できるとは限りません。
ニセモノ、粗悪品の被害にあう可能性がないとは言い切れません。
被害にあわないようご注意いただきたいと思います。
医薬品副作用被害救済制度の対象外
個人輸入(医療機関が独自に海外から取り寄せたものも含む)で健康被害が生じた場合、それはすべて自己責任ということになります。
医薬品の副作用に対する公的な救済制度である「医薬品副作用被害救済制度」からはもれてしまいます。
(詳しくはhttp://www.pmda.go.jp/をご覧ください)
AGAの治療の際は、ぜひともAGAに精通した医師のもとで国内の正規品の処方を受けていただきたいと思います。
③育毛サロンの高額契約、高額機器の購入に注意を
育毛サロンや効果が不確かな機器に高額を支払うケースがあるようです。
なかにはトラブルとなって、国民生活センターに持ち込まれる事例もあるようです。
リラックスが目的であったり、医薬品の補完的ケアとして、費用負担と効果のバランスを正しく理解したうえで利用するのならばいいのかもしれません。
本当にそうしたサービス、商品が自分に必要なのか、費用に見合うのか冷静に考えていただきたいと思います。
④情報の洪水に飲み込まれない
情報化社会になって、知りたい情報は何でも手に入るようになりました。
AGA治療に関しても、大量の情報があふれています。
それらの中には、客観的でよくまとまったものもありますが、医者から見て根拠があまりないと思われるものや、明らかに間違っているものもあります。
「嘘」とは言えないけれど、重要な事実や前提条件に言及しておらず、誤解をまねくような表現も見かけます。
不確かな情報に流されて、金銭的な損害をこうむるだけではなく、健康上の被害を受けることがないようご注意ください。
「目に飛び込んでくる情報のすべてが、真実とは限らない」
ということを忘れず、情報の真偽を冷静に判断していただきたいと思います。
⑤長期的な視点で治療の費用を考える
【AGA治療を検討中の方へ質問】
あなたは今後の5年間のAGA治療にどれくらいの予算を考えていますか?
こんなことを尋ねられたらビックリしますね。
でも、考えてみてください。
AGAは短期の治療で治癒するものではありません。
ある意味、一生ものです。
仮に5年間、AGAの症状を改善させて、いい状態をキープしようとすれば、5年のあいだ治療費の支払いが続きます。
当然、予算にも上限があると思います。
はじめに費用をかけてもいいから、いろいろな治療を試して、そのなかから自分に合うものを選ぶ、という考えもあるでしょう。
しかし、「AGA診療ガイドライン」を見ると結論はほぼ出ています。
軽症から中等症の方は5α還元酵素阻害剤かミノキシジル外用のどちらか(または併用)で治療をスタートするのが妥当だと考えます。
それでも効果が不十分な方、AGAの程度がより強い方が、次の段階としてそのほかの治療に進むことを考慮すべきです。
仮にAGA専門クリニックで治療を受ける場合でも、ほとんどのケースで「5α還元酵素阻害剤」(デュタステリドかフィナステリド)がベースとして使われます。
それだけ重要かつ基礎的な治療薬なのです。
5α還元酵素阻害剤(デュタステリド)は、多くのAGA治療メニューの中核(コア)になっている
はじめにたくさんのことを試しすぎて予算が尽きてしまえば、ベースになる「5α還元酵素阻害剤」を続けるのも難しくなるかもしれません。
治療のグレードを上げるにしてもステップ・バイ・ステップで進んでいくべきだ、というのがわたしの考えです。
お財布にやさしい治療計画を立てましょう。
まとめ AGA治療は5年、10年単位で考えるとよい
AGA治療の現実
ここまで読まれてご理解いただけたと思いますが、AGA治療は「治癒」がゴールではありません。
治療により症状を抑え、改善させますが、治療を終了すると効果は失われます。
デュタステリド以外のAGA治療についても、この点はほぼ同じです。
当院では10年程度AGA治療を受け続けている方が何人かいます。
その一方で、治療の効果には満足し、納得しつつも、やがて来院されなくなる方も一定割合でいます。
差し引きして、治療を継続中の人数は百数十名ほどです。
これまでに治療を終了した方を含めると、わたしは数百人のAGAの相談者に対応してきたことになります。
AGA治療を終了するとき
多くのAGAの方に接してきた経験から思うのは、人生の中に占めるAGA治療の必要性が減ると、自然と医院から足が遠のいていく、ということです。
そうしたきっかけは以下のようなものかもしれません。
- 結婚や就職などで環境が変わり、前ほどAGAを気にしなくなった
- 管理職になり、年齢相応に薄毛でもOKかなと思えるようになった
- AGA治療より優先したい趣味や楽しみを見つけた
いろいろあると思います。
AGAは「一生もの」ですが、AGA治療は「5年単位」「10年単位」くらいでおおまかに考えるといいと思います。
「あと5年、あと10年、前向きな気持ちで頑張りたい」
そう思っている方の気持ちを、AGA治療は後押ししてくれるでしょう。
10年たつと、それまでにいろいろな転機が訪れているはずです。
考え方や、社会的立場も変わってくるでしょう。
それ以降、治療を続けるかどうかは、そのタイミングで決めればいいことだと思います。
これからもわたしは、
- リーズナブルな料金
- 安心して5年、10年継続できる
- 納得、満足できる結果が出る
そんなAGA治療を地域のみなさんに提供し続けたいと考えています。
当院のAGA治療により、みなさんが笑顔になることを願っています。